コスメから湘南の地産地消をデザインする。(後編)
〜湘南石鹸(しょうなんせっけん)〜

「雑貨石けん」としてのスタート。地産地消モデルへの挑戦。

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–事業としての立ち上がりはどうでしたか?

川村:当初は化粧品として資格を持っている工場で作った石けんではなかったので、「雑貨石けん」としての取り扱いでした。「雑貨石けん」というのは「化粧石けん」とは違って、人の肌に使うことをうたうことができません。
そうなると、なかなか取り扱ってくれるお店が限られてくるので、当初は苦労しました。

–コスメの世界は厳しいですね。

川村:ただ、地道な活動を続けてきた結果、ある有名百貨店のバイヤーさんが私の石けんを知って、「こんないい石けんだったら雑貨でも取り扱いますよ」と、普通なら雑貨石けんは扱わない百貨店からも声をかけられるようになってきました。

–それはすごいですね。商品のバリエーションはどのように広げられたのですか?

川村:最初の「湘南海塩石けん」を作った後、「もっとしっとりする石けんも欲しい」とリクエストを受けて、次にはちみつを使った石けんを作りました。
これもちょうど市内の辻堂に「中野養蜂園」で「湘南はちみつ」を作っている方とのコラボレーションから生まれたものです。

–はちみつの石けんですか?

川村:湘南石鹸の場合、「コールドプロセス製法」といって、低温で石けんをひとつひとつ作っているので、はちみつの有効成分を熱で壊すことなく、そのまま活かすことができます。
そんな取り組みの中で、食べ物ではなくコスメの世界の地産地消って面白いのではと考えるようになってきました。

しかもそういったコンセプトを「湘南」というブランドで発信していくことは、「シンプルスタイル」とか「ナチュラルな暮らし」「自然と共存」という湘南のイメージと合致して、とても意義があると考えるようになったのです。
そこから、使う方の肌別や、洗い上がりの「しっとり」「さっぱり」の好みに合わせつつ、肌にいい湘南の素材を使った商品ラインアップを徐々に広げてきました。

ただ、一方で「雑貨石けん」としては限界があり、どうすれば「化粧石けん」を製造して、本格的にコスメの市場に参入していくのかがビジネス上の大きな課題となっていました。

 

念願の「化粧品石けん」の製造開始。有名百貨店とのコラボレーションも実現。

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–「化粧石けん」はどのようにして製造できるようになったんですか?

川村:こちらもご縁ですが、厚木にある化粧品工場の社長さんがとても良い方で協力いただけ、工場内の施設をお借りして化粧石けんの製造ができるようになりました。お世話になっている株式会社オオロラも、当初はご苦労され、ご夫婦で仲良く経営され、今回のご厚意にはとても感謝しています。
湘南石鹸で独立してから2年ちょっとたった頃ですかね。2014年の8月から湘南石鹸として化粧品販売登録し「化粧石けん」の製造、販売が始まりました。

–「化粧石けん」を出した反響はビジネス的にはどうでしたか?

川村:そうですね。やっと本格的な展開がその時から出来るようになりました。
「化粧石けん」を製造するようになってから、東急ハンズさんやロフトさんなど大手バラエティショップでも取り扱っていただけるようになり、地元の湘南でも、さいか屋さんや、藤沢駅2Fコンコースにある「湘南FUJISAWAコンシェルジュ」でも取り扱っていただけるようになりました。
また、皮膚科医さんを始め、地元の企業からうちの石けんも作ってほしいとの声もいただいております。

–大きな変化ですね。

川村:はい。あと、今年の2月から、三越伊勢丹グループで、ファッションデザイナーのKEITA MARUYAMAさんがパッケージデザインしたクリエーターズコラボの湘南地産石けんという形で、私の作った石けんが全国展開することになったんです。

–それは凄いですね。ここで、改めて湘南石鹸のこだわりを聞かせていただけますか?

川村:私がプロデュースする石けんはクラフトメイドで作っています。しかも石けん素地から練り上げて、低温で1ヶ月以上じっくり熟成させる、非常に手間のかかる「コールドプロセス製法」で作りあげます。もちろん製造時には酸化防止剤、安定剤、調整剤等の添加物は一切使っていません。
また、凝固剤も使わない、石けん業界初の「弱軟性石けん」として、やさしい石けんの使い心地を実現しています。
最先端の美容成分については大手のコスメメーカーにお任せして、私は昔ながらの肌に良いといわれる成分に湘南地産原料をつかった、一人一人のパーソナルスキンケアにあったやさしい石けんを作り続けたいと思っています。

–今後の夢とかもしあれば聞かせてください。

川村:とにかく湘南が大好きで、「湘南石鹸」を通じて、いろんな人と出会いたいと思っています。例えば、コスメという枠にとらわれず、湘南の他の生産者、販売者さんとコラボレーションして、「湘南クリエーターズマーケット」みたいな共同出店するようなイベントとかも企画したいですね。例えば、どっかの大きな倉庫を借りてやってみるとか。

–楽しそうですね。湘南ビジネスレビューで過去に取材させていただいた方の中にも賛同してくれそうな方がいそうです。

川村:もしかして、はじめはネット上でバーチャルにやるパターンもあるかもしれませんね。その時はぜひ、湘南ビジネスレビューさんも協力してください。(笑)

–はい、検討しておきます。(笑) 今後のますますのご活躍、応援しています!

 

 

インタビュー締めのひとこと

——川村さんにとって湘南で働くとは?

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(おわり)

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