「おいでよ」っていう環境を作り続けたい(後編)
〜湘南の注文住宅 松尾建設株式会社 〜

自分にしっくりきている中で、商売が成り立つことが大事かな。

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-- オーナーさんとの交流から派生した「ストーリーマルシェ」ですが、本業である注文住宅の商売的にはどんな風に捉えられてますか?

青木:例えば、「茅ヶ崎に家を建てたい」と、当社に家づくりの相談しに来た人たちに、我々は「マルシェ」をアナウンスすることができると思うんですよね。マルシェに来てもらうと、「こういうことやってる会社なんだ」とか。あとは現場監督とかスタッフもその日は駐輪場係をやったりしているから、そこで触れ合う機会というか、「こういう人たちが働いているんだ」って見えるじゃないですか。それを見せたくてやってるわけじゃないけど、そうやって安心してもらって、「この会社いいな」って思ってもらったら、すごく嬉しいですね。

 

-- 初めてのお客さんに「会社を知ってもらう」という場にもなっていると。

青木:そういう面もね。でもやっぱりオーナーさんとの交流の場としても大事なんですよ。ぼくらもリフォームやってるから「他の工務店さんで10年前に建てたんですけど・・」って相談がきたりするわけですよ。そんなときは「建てた工務店さんでリフォームしないの?」って聞くんですが、それには色々な事情があるんですよね。会社がないとか、何かいやな思いをしたとか。それはうちらにとっては、逆のパターンがありえる話しですよね。リフォームで「なんで(うちに)言ってくれなかったの」ってこともあると思うんですよ。だから、いかに安心してもらえるか、気軽に声かけてもらえる場を用意出来るかって、そういうのはすごく大事なんじゃないかなって。

ただ、商売のことばかり考えると、たまに自分らしくないことも取り入れなきゃいけない場面が出てきちゃうじゃないですか。それが苦手なんですよね。自分にしっくりきている中で、結果として商売が成り立つようにしたいなって。だから会社が大きくならないのかなあ・・(笑)。

 

-- 大きさではなく、永く続けるほうが重要という考え方もありますよね。自分が好きだったらそれを続けられるし、きっとお付き合いの関係も良好に続けられる。しっくりくるってすごく大事ですよね。

青木:お互いに居心地よくないとね。背伸びしちゃうと、お客さんに作りこんだ自分を見せなきゃいけない時も出てくるじゃないですか。自分っぽくないやつを。そういうの上手く出来ないんですよね。。

自分がしっくりくる範囲で、お客さんとのお付き合いを続けて、それでいい関係が作れるといいですよね。それが私の場合は、餃子パーティやバス遠足だったりするわけだけど。最近は、オーナーさんからの紹介で家を建てさせてもらう機会も少しづつだけど増えてきてます。一番多かったのは、一つの会社で三人の方から注文をいただいた時かな。皆さん会社の同僚で。この人、次この人、次この人って。あ、そういえば、バス遠足をやったときの運転手さんの家、今建設中です。こういうの、すごく嬉しいですね。

 

-- きっと、バスの運転しながら聞き耳たててたんですね(笑)

 

4回作り変えたホームページと社長ブログの話

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湘南の注文住宅 松尾建設株式会社

-- マルシェのお話を伺って、お客さんとのコミュニケーションをすごく大事にされているなあ、と感じました。ホームページを拝見しても、それが感じられるのですが、ネットの利用についてはどのように取り組まれてますか?

青木:いや、ネットは別にこれと言ってやってるつもりはないんですよ。

 

-- 取材に伺う前は、ネット活用の達人がいるんじゃないかと思ってたんですが。。ちなみに、ホームページはどの様に運営されてるんですか?

青木:そんな人いません(笑)。でも、ホームページは今まで4回も作り替えました。はじめて作った時に、けっこう酷い失敗をしたんですよ。営業でやってきた業者さんに任せてみたんですが、全然うまく行かなかった。今のホームページは3社目かな。仲が良い協力会社さんから紹介いただいた方にお願いしています。
現在は、その方と私で「こういうのやってみたいけど、どう?」とか「かっこよくしなくてもいいから、こういう感じで」とか言いながら、直接打合せしてながら作ってます。そうですね。4回作り変えただけあって、最初の時と違って、自分のイメージに近いものが出来ている気がします。

 

-- ホームページでは何を大切にしていますか?ページビュー、資料請求、問い合わせ数とか・・?

青木:ホームページ見て、会社に来てもらうのが一番だと思ってます。資料請求を目標にしちゃうと「資料送ります。終わります」みたいな感じになっちゃって。Googleなんちゃら(編集部注:Google Analytics)を見てもらっていて、ちょっとこういう風にしようかとか。それで、今また改善していこうって進めてるところです。

 

-- 指標(来場)が明確で改善活動があるということは、やはり意識高く取り組まれてると思います。会社のホームページ以外に社長のブログもありますよね。しかも2年以上、ほぼ毎日更新を続けられている。

青木:ブログは・・・みんなやっているから、やらなきゃいけないのかなって感じで(笑)。当時。よそのブログを見ると、すごく丁寧に書いているから、これは俺には無理だなって思ってたんですよね。でも、ある日、ブログって「要は自分の日記じゃないか。軽くいけばいいや」って切り替わって。それでなんか始める踏ん切りがついたんですよ。

ブログを始める時には、スタッフに「週6で更新する」って宣言したんですよ。俺はそれを宣言するからその代わりに、みんなも色々目標を持って仕事に取り組んでくれって話をして、そこからスタートしています。

本来、筆まめじゃないんですよ。結構たいへんだったけど、もう慣れました。俺の文章はでたらめだと思います。でもあんまりキレイにやりすぎるのも・・・。日記だしね。「こういうヤツだな」ってわかってもらえるほうが良いですよね。

 

-- ブログを続けてきて、反応はありますか?

青木:割りと見てもらってる気がします。たまにオーナーさんから「社長、最近うちの現場に来てないですね」なんて感じで、からかわれたりとか(笑)。久しぶりに会う人とも、ちょっとした会話の潤滑油になってたりするんじゃないかな。分からないけど。

 

「やっぱり『こだわりの家』だね」って。

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-- Facebookページで見かけたんですが、建築中の物件に名前を付けてますよね?

青木:あ、それは俺が勝手にやっています。なんとなく、付けたくなったら付けていますね。オーナーさん家族とのやり取りとか、その辺りから出てくる感じかな。

例えば、初めて見学会に来た時に「無垢の家がすごく好きなんですよ」って言ってきたお客さんがいて、その後、二年くらい会わない時期があったんですよ。色々、工務店さんを見ていたそうで。「やっぱり青木さんに相談することにした」ってことになったんですが、高低差のあるハードな土地を買ってて、外構にすごくお金がかかるから建物にお金をかけられなくなったって言って。「だから土地から相談しないからそういうことになるでしょ」みたいな話をして。「予算を圧迫したから無垢の材料は使えないかもしれない」って伝えたんです。そうしたら自分に言い聞かせてました。「俺もう無垢嫌いになりました。あんなのは嫌いです」って。「嘘つけ!(笑)」って言ったんですけど、やっぱり最後になって「あそこはこだわりたいところだったから、やります」って話しになったんで「やっぱり『こだわりの家』だね」って。そんな感じで名前付けてます。

 

-- すごく人間味ある話しですね。その土地で無垢の家は建ったんですか?

青木:いや、全部は使えないから床材だけ。でも、すごくいいオークの床材を使いました。名前をつけるのは、たぶん他の工務店さんでもやってるところあるんじゃないかな。もっとカッコ良い名前かもしれないけど。私は、そういうカッコ良いのを考えるのは苦手なんで、パッと思い浮かんだ感じで・・ですね。

 

-- オーナーさんの思いを共有しながら、名前を付けて家を建てるっていうのがなんか楽しそうですね。

青木:でも、苦手なんですよ。そういうの考えるのは。文章書くのとかもね。

 

-- ブログを2年以上も続けてるのに(笑)。

 

あと5年くらいしたら、「こういうことやりたかった」って出てきそうな気がする。

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-- 最後に、今後の松尾建設さんについてお話きかせてください。

青木:うーん、あと5年くらいしたら、「こういうことやりたかった」って出てきそうな気がする。。

 

-- 住宅建築以外の事業をやってる可能性も?

青木:ちょうど今、このオフィスの隣に生活雑貨のお店を作る準備をしているんですよ。

家って生活全部がかかるじゃないですか。建物だけじゃなくて、例えばテーブル。「このテーブルにこの食器をコーディネートしていくといいんじゃないの?って俺らは思うけど」っていうのを提案できると面白いかなって。

失礼な言い方かもしれないけど、センスと時間がある人なら、自分で色々できると思うんです。でもなにを揃えたら良いか分からない人もいっぱいいると思うんですよね。そういう人たちに、「あなたたちの建てた家のテイストだったら、こういう物が合うんじゃないかな」とか。それがスリッパひとつでもいいし、テーブルでも食器でもいいし。

建物だけじゃなくて家の中も、オーナーさんのお話を聞きながら、必要な人にはライフスタイルの提案もサポート出来るようになりたいなと思ってるんですよ。

 

-- 確かに、建物完成した後も、オーナー家族がやることって沢山ありますよね。

青木:家一軒建てるって、フルパワー使うじゃないですか。フルパワーで建てて、すごく良いものができると、生活も変わるし、その人も変わると思うんですよね。例えば、ボロアパートからめちゃめちゃカッコいい家に入ってきたら、その人も何だかカッコよくなっちゃうとか。あると思うんですよね。

 

-- きっと気持ちが変わりますよね。

青木:そこにプラスアルファして、服とかもそうかもしれないけど、「こういうの着てみたいけどイマイチ勇気がない」とか。それと同じようなもので、例えば「こんなものを扱ってみたいけど、私たちには似合わないんじゃないか」って思っている人がいると思うんです。でも「そうじゃないよ。この家にはこういうの合うし、あなた達にもすごく合うんじゃないの」って提案してあげたい。

 

-- そのタイミングで、「普段使いのものとか身の回りのものも変えてしまいましょうよ」って。

青木:やっぱり、人が変わるんですよね。もちろん、無理に変える必要はないんですけど、やりたいんだったらそこで思い切って変えるって良いじゃないですか、って。背中を押すようなことが出来たらいいかな。

 

-- 注文住宅で、建物全体をプロデュースしてくれてる松尾建設さんの横に、雑貨店があると想像しやすいですね。

青木:実は、その新しい店舗のスタッフも、元々うちのお客さんなんですよ。とてもありがたいことに、手伝ってもらえることになりました。

 

-- クライアントであるオーナーさんとも、いろんな関係が作れている。

青木:フルパワーでお付き合いしてきたのに、家づくりが建ったら終了みたいなのは、あまり好きじゃないんですよね。オーナーさんだから、お客さんなんだけど、みんなで一緒にバーベキューしたり、そういうのが好きなんですよね。住宅以外のことでもね、色々相談されるのが好きな性分なんだと思います。余計な仕事も増えるんですけど、楽しくやってますよ(笑)。

-- 最後に、青木さんにとって「湘南で働く」とは?

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-- 今日はありがとうございました。

 

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