FinTech大歓迎!次世代の夫婦税理士(後編)
〜後藤税理士事務所 後藤 和幸/後藤 ルース比呂〜

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夫婦で税理士ということ

後藤税理士事務所_後藤夫婦

ーーホームページにも記載がありましたが、女性の税理士がすごく少ない。

ル はい、そうですね。六分の一くらい。

ーー女性の方が来た時には女性が対応とか、ルールを決めていますか?

ル 決めてはいないですが、自然にはそうなっているかもしれない。

和 自然に分かれていますかね。

ーー夫婦で税理士と打ち出して、何か効果はありましたか?

ル まだプロファイリングできてないね(笑)どのくらい効果があったのか。まだ一年くらいなんですよね、ホームページ出してから。

和 税理士が全国に7万5,000人くらいいて、7万人くらい独立しているんですよね。そう考えると、税理士同士で相談できる立場にある人ってほとんどいないような状態ですよね、普通に考えると。それを(夫婦で税理士だと)いつでも聞けていつでも一緒にやれるという強みになって……いけるといいね(笑)

ル 仲が良ければね(笑)

和 あと業界の平均年齢が60歳くらい。三年前は59.いくつって言われたんですが。たぶん上がっていると思うんですけどね。

ーー年齢が強みになってるんじゃないかと。

ル ホームページも「若手」を大々的にあげているよね、たしかに。起業する方たちと同じ年齢くらいがいいって言うっていう方が多いので、それを狙って「若手」っていうのを出したんだよね。やっぱり30代の方が起業して、70歳の税理士に頼むのって、いつ亡くなるかわからないですよね。5年、10年で(亡くなったら)、その後どうするの?次を考えなきゃいけないっていう。

和 跡継ぎがいればいいですけどね。独立9割の業界で。

ル たしかに2人って、そういうのも(強みとして)ありますよね。

ーーホームページでは戦略的に若いイメージを出していこうというのがあった?

和 そうですね。あとSEOを真剣にやったのが(2016年)7、8月で。夏くらいに初めて一件きてから、ちょっと真面目にやろうかなって(笑)今は検索で上の方に出てきてくれると思うんですが。

検索トップになるためにやったこと

後藤税理士事務所_検索結果

ーー「鎌倉 税理士」のキーワードだとトップに出ますね。

ル すごい。がんばったね。

和 やっぱり突っ走るのが好きなのかもしれない(笑)

ーー具体的にどういう事をやられたのでしょうか?

和 まず文章の中に「鎌倉」。あ、「鎌倉」はまず無理だなと思って「大船」から始めたんですね。「大船」「税理士」「会社設立」「相続」キーワードを入れて、そういう関連のページを何個も何個も作っていって、だんだん(順位が)上がっていき。最近面白いのは、ポケモンGOをすごいやったので……

ーー見ました、見ました。「そこの教会にピカチュウがでた」とか。

和 あれ、閲覧数がすごいんですよ。それでもう人気ページになっちゃいました(笑)あ、でも他のページからはなるべく飛ばないようにしておきました。やっぱり戦略として、流行っている言葉をページに載せるっていうのは、閲覧稼ぐのに有効かと。これからマイナンバーなんかもやっていこうと思ってます。

ーーアクセスログを見たりして分析しているのですか?

和 そうですね、検索ワードはすごく見ましたね。「税理士」空白の後にみんな何で選ぶのか、でしたり。相続ならやっぱり「遺産分割」とか「贈与」とか多かったりっていうのをすごい研究しましたね。あと、士業向けパッケージのページに負けたくなかったですね。

ル なんの対抗心なんだかよくわからないんですけど。

和 あと、「若手税理士でいいんですか?」っていう一文が入っている方たちもいて。「このやろう」って。でも私は、一切批判は入れていないので。

ーー和幸さんの場合はチャレンジするものがあったほうがいいんですね(笑)SEO効果でアクセスが上がって、実際にそこからの問合せに変化はありましたか?

和 いや、もうまったく変わりましたね。

ル 問い合わせが一気にくるようになりました。それまで、一切音沙汰なかったんですよ(笑)ほんとに一件も何の連絡もなく。それが急に月に1、2回とか。問い合わせだけでも来る。ま、特につながらないお客さまもいらっしゃいますけど。

実は無料相談会やってます

ーーこのビルには他にも税理士事務所がありますが、競合ということは無いのでしょうか?

和 地域で仲がいいですね。

ル そうですね。税理士会っていうのがあって、そこでお会いするので、お友達というよりは、先輩・後輩のような。わりとほんわかした感じ。

和 支部活動、無料相談をすごくやる先生ですし。私たちもたくさん出ていますし。そういう方とだと仲良く、喜んでできますね。

ーーWEB以外のオーソドックスな顧客開拓ってどういう方法なのでしょう?

ル 基本的には紹介が多いと思います。お客さんのお客さんっていうんですかね?お客さんの知り合い。そういう紹介がおそらく半分は占めているんじゃないですかね。あまり営業にいくのは(無い)。無料相談をやることもあるので。

ーー無料相談って、鎌倉市役所での無料相談ですか?

ル はい、それも税理士会が委託しているので。あとは税理士会支部。月に一回無料相談をやっています。税理士会鎌倉支部、鎌倉市の方対象で。そちらに電話をかけていただいて、予約をして。

和 先週は一日ルミネの前に座っていたんだよね。税理士会として。4、5人で。この寒いなか……

ーー結構お客さん来るものですか?どんな相談が多いですか?

和 医療費控除や相続も多かったですね。「私、税金かかりますか?」という感じで。ただ、ふらっと来られた方から仕事につながったことは実は無いですね。予約をしてまでくる方は仕事につながることは何回かありました。

ル 皆さん、ちょっと聞いてみたいっていう。

ーー無料相談はボランティア的なもの?

ル そうですね、(仕事になることが)あればラッキーというくらいの。

和 苦行ですね苦行(笑)一日座って何人もずっと喋っていると疲れます……

ーーノーギャラですか?

ル 税理士会から少し出ますね。丸一日居て1万とか。収益を目的として行っているわけではないですね。

和 ホームページでも、会社設立と相続の相談は初回無料にしています。そのページも作りました。

ーーその二つが問合せ多い?

和 いや、意外とホームページからで一番多いのは不動産お持ちの方の確定申告。申告忘れの方だとか。

ル 相続は来ないね。

和 相続は知り合い伝いが多いから。

ル そう、だからホームページからって方はいらっしゃらないですね。

和 相続はもうひとつホームページを作ろうかなと。今のホームページは作りが若々しく、元気にしたので。相続ではちょっとそこはいいんだな、という反省が。

鎌倉で開業したワケ

後藤税理士事務所_後藤和幸氏

ーー鎌倉の大船で開業したのには何か理由が?

和 結婚で引き寄せられたのですが、そこで知り合った尊敬する友人たちとみんなで湘南を元気にしようという団体関わったりしてるうちに鎌倉で開業しようということになりました。

ーー和幸さんは川崎ですよね。ルース比呂さんが鎌倉出身?

ル 私は藤沢です。実家は藤沢市渡内。村岡消防署の隣なんです。大船がやっぱり近くていいなって。

ーーその友人たちとの出会いは?

和 私サッカーが好きで、そこにサッカーバーがあって、たまたま行ったら出会って。地域をよくしようとボランティアを喜んでやるような変態の人たちが(笑)。でもみんなそれなりのプロフェッショナルな方ばかりで。地域が好きっていうか。川崎だと、「川崎だから」って地域で言い訳する人が多いなと感じるけど、こっちの人は「鎌倉が好き」で、どうにかしたいって。その団体が「絆の会(湘南きずな)」っていうんですけど、○尾市長も来てくれたり。あ、○尾市長の名前は出しちゃいけないのかな?(※伏せ字にしました)
毎月一回、皆さんが10分くらいプレゼンしたりして。そこに行くと、取材したい人はすごいいると思う。
ル 確かに、藤沢と鎌倉の人ばっかりで、みんな事業者というか、熱い人ばっかり。取材するにはいいかもしれない。

FinTech大歓迎!

後藤税理士事務所_使命と倫理の額

ーー決算書って決まった形のように思うのですが、出来不出来はあるのでしょうか?

和 節税策が講じられているかが、見てわかってしまいますけどね。役員報酬取りすぎとか、もっとずらせばいいのにと思う時は多々ありますけどね。

ーー節税のアドバイスは業務の範疇?それとも付加価値的サービス?

和 付加価値よりですかね。

ル 基本的には独立公正な立場にいるのが税理士の使命なので、節税が良いというわけではないです。公平性が一番大事。

ーー「Freee」認定アドバイザー取得されていますが、そういった技術の発展によって税理士業務や価格に変化が起きてる?

和&ル その通りですね。

和 (そういうサービスの利用で)記帳代行部分は激減すると思いますし。

ーーそのような変化についてどう思います?

和 私からしたら望ましいかと。

ル うん、あまり記帳代行はやりたくない。どちらかというと、ご自分で使った経費はご自分で入れてもらいたい。じゃないとわからなくないですか?私たちが何費って決めるようなものじゃないですよね。飲食代、誰とミーティングしたかとかはご自身しかわからない話なので。その辺はやってもらいたいので、こういうのはどんどん大きくなってほしいですね。もっと少なくなるよね、代行の税理士業務は。

ーー新規のお客さん、例えば起業したという方にはFreeeを勧めたりしてます?

ル やってもらうようにはしています。できないってなったら(帳簿)付けに行くっていうことで。最初にやってもらうスタンスでいます。なにかしらの会計ソフトで、使いやすいやつ。

和 代行はしたくないな(笑)

ル ご自身でやってもらったほうが絶対いいんですよ。

ーーFinTechの発展で自分たちの職業が無くなる危機感って無いですか?最近、10年後に消える職業ベスト10みたいな研究もありますけど。

和 無くなるものとして挙がってるのは、記帳代行入力者と税務申告作成代行。そのふたつはコンピューターでやって、有利選択まで出来る。ただ、利益を出していただければ、いただくお金よりも節税を提案できますし。そのあたりは自信を持ってやっていきたいなと思っていますけど。ただ、減っていくとは思いますね、税理士業界全体の収入は激減するとは思います。ベテランの方が困る。私たちは逆にありがたい。ベテランの先生よりは、パソコン使えますし。

ーーFinTechでは賄えないコアな部分は何でしょう?

和 やっぱりコンサルティングでしたり、節税だと思いますね。

未来の税理士像は?

後藤税理士事務所_後藤和幸氏

ーー未来の税理士はコンサル特化型?

ル それが一番いいですね。もっとできることが増えると思います。

和 そうでないと存在意義はどんどん減っていくなという思いはありますので。税理士がいない国もあるみたいですよ。あ、いない国、ほとんどです。失礼しました。

ル それが今後税理士がいなくなるかもしれない要因のひとつで、TPPとかで税理士業という資格が無くてもいいって、例えば世界中から誰でもやってもいいみたいになったら消えるでしょう。今のところはないですけど、可能性が無いことは……無い。

ーー資格が無くなると本当に実力ある人だけ残るようになりそうですね。

ル そこに負けないように頑張りたいですね。

ーー資格商売では無く、サービス本位になると。

ル だからコンサルがとても大事なんだな、と思ってます。

ーー地域性も薄れそうですよね?

ル そうなんですよ。それも怖い。

和 薄れていくのか、逆に強くなるのか。みなさん東京の方に頼んで、地元の税理士さんを知らないって方が多いので、(地元税理士が)ホームページをたくさん作って、「この人はコレ」と誘導できるようなところになれば地元密着の税理士が増えていくと思います。これから介護だなんだすごい時代が来ますからね。なるべく家に居て、FreeeなりFinTechも活用していくのがこれからのスタイルなんだと思います。

ーー最後に、お二人にとって「湘南で働く」とは?

後藤税理士事務所_地域の未来へチャレンジ!

「地域の未来へチャレンジ!」

Freeeに代表されるようなFinTechの波には良い顔しないのでは?取材前にそう思っていた予想とは裏腹にFinTech大歓迎という夫婦税理士のお二人。資格制度が無くなったら……という話もありましたが、お二人の顔は不安というより自信に満ちてました。なんかキラキラしてました。これからの時代、テクノロジーとの両立や、人にしか出来ないことをやる、という重要性をひしひしと感じたインタビューでした。後藤さん夫婦、ありがとうございました!

※ちなみにこの後、編集長が税務署の裏事情を聞き出そうと根掘り葉掘り聞いていましたが、バッサリカットしました(笑)。

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