生産者からお客様まで、人の繋がりを実感出来ることが最高に嬉しい。(前編)

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UNCLE KENを語る上で大切なキーワードは、「地産地消」。

「薪割り、小麦作り、フレッシュバジルなど、どこまで自分がたずさわっていけるかの挑戦でした」―そう語る宮下さんのピザは、すべての工程において自分の目で確かめ、素材生産者と顔の見える関係の上で作られている。

人が集まる場所に石窯を積んだワーゲンで出向き、移動販売を手掛ける一方、美味しいと評判に聞いたお店や、湘南地域の地元生産者の元にもこまめに足を運ぶ。

「人の繋がりを実感出来ることが最高に嬉しいです」―人懐っこい笑顔で語る健おじさん(UNCLE KEN)に、「本格窯焼きピザ」に対するこだわり、そしてこれからの夢についてお伺いしました。

 

宮下 健(みやした けん)

移動販売の本格窯焼きピザ UNCLE KEN代表

 

プロフィール)

1970年生まれ。1989年に神戸屋レストランに入社。

約20年にわたりパンや料理に携わりそこで初めてイタリアの本格的な薪窯に出会う。ガスや電気式の窯とはまるで違うピザの美味しさに感動し、神戸屋レストラン退社後、ワーゲンバスに薪窯を積んだ、本格窯焼きピザ移動販売「UNCLE KEN」のビジネスを開始。

自身も生産に関わっているという「湘南藤沢小麦」を使い、地元ならではの食材を使ったこだわりの本格ピザにはリピーターも多い。
人気メニューは、地元産のフレッシュトマトを使った「マルゲリータ」や、江の島の漁師さんのシラスを使った「江ノ島シラスと生のり」。

 


 

 

薪窯ピザへのこだわりが移動販売ビジネスをするきっかけに。

 

−−まず、お仕事の内容について教えて下さい。 

薪窯Pizza UNCLE KEN」というピザの移動販売をしています。ドイツから取り寄せたワーゲンに石窯を積んで、毎日色々な場所に出店して焼きたてのピザを提供しています。活動エリアは、私の地元である藤沢を中心とした湘南エリアですが、青山や勝どきなど都内にも定期的に出店しています。ロックフェスなどのイベントに出店することもありますよ。

 

−−もともとは神戸屋にお勤めだったのですよね?

はい。20年ほど勤めた神戸屋を退職して、この仕事を始めました。神戸屋勤務時代に初めて薪窯で焼いたピザを食べたのですが、その美味しさに驚きました。それまで自分が食べてきた宅配ピザやスーパーで売っているピザとは全然違う、あのピザを皆にも味わってもらおうと思ったのです。

 

構想からスタートするまで、1年かかりましたね。車の改造だけで半年。思ったより時間がかかってしまいました。普通はサラリーマン続けながら、準備をしておくのだろうと思いますが、私は完全に退職してから準備を始めたので、周囲からはお前は馬鹿か!と言われましたねえ(笑)。

 

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ピザ以外にも考えた業態もあったのですが、自分一人で始める商売でしたし、私は器用じゃないので一品でこだわりのある商品が良いだろうと考えていたのです。自分の中では自然にあのピザだな、と決まりましたね。

 

でも、いざお店を出そうと思い物件を探してみたら、なかなか決まらない。薪窯がネックだったのです。煙と臭いが周囲のお店から歓迎されなくて。ガス窯ならその辺りクリア出来るのですが、やっぱり薪窯でやりたかったので移動販売から始めることにしました。

 

自分でやる、地産地消、そして顔が見える関係

 

−−薪窯にはそんなご苦労があったのですね。薪窯以外にも色々なこだわりがありそうですが? 

どこまで自分でやれるか?というチャレンジ。あと地産地消です。

 

UNKLE KENのピザ生地は「湘南藤沢小麦」という地元の小麦粉から作っているのですが、その小麦自体を私が畑で作っています。農業未経験ですが、自分でやるチャレンジですね。薪も自前です。近所の造園屋さんから伐採後の木材をいただいて、自分で薪割りして使っています。季節によって桜とかブナとか、手に入る材木の種類が違ってきますから、ピザの風味に季節感も出ますし、一石二鳥です。

 

その他の食材も出来るだけ、地元から調達するようにしています。自分で説明出来ない食材を使うのは嫌なのです。このシラス(メニューにあるシラスのピザを指しながら)は、江ノ島の新生丸さんから仕入れています。藤沢のレストランに務めている友人に「藤沢で一番ウマいシラスはどこ?」と聞いたら、紹介してくれたのです。多くのシラスは保存のために塩を使うので、ピザの具材で使うと塩分が強くなってしまうのが気になっていたのです。新生丸さんは鮮度重視で塩が少ないので、シラス本来の甘みが強いですし、ピザで使うにはピッタリです。

 

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ここ(寒川わいわい市)に出店していることが多いので、自然と農家の方々と知り合いになれましたし、その時期の旬なものとか、素材の話しとか、生産者さんから直接お話し聞けるので本当に助かっています。地産地消の延長になりますが、顔が見える関係を大事にしながら、仕事をしていきたいと思っている点もUNCLE KENのこだわりですね。

 

素材だけではなく、出店の場所についても同じですね。最初は場所探しに苦労しましたけど、農協さんと良い関係が作れたところから、ここに出店させていただけるようになりましたし、湘南ベルマーレのホームゲームや都内にも定期的に出店出来る拠点が広がって来たり。おかげ様でだいたい2ヶ月先くらいまでは出店スケジュールが決まるようになりました。どうにか軌道に乗ってきたかな。

 

後編(12月22日掲載予定)に続く。

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