最高の家具作りの場を求めて(前篇)
〜collabore(コラボレ)〜

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オリジナル家具ブランド”collabore”を運営するコラボレ社は、1998年に神奈川県秦野市の商店街の一角にある20坪の空き店舗で創業。その後、2002年に辻堂へ、さらに2013年には現在の地、寒川町に移転しながら、質の高い家具を作ることに専念している。

様々な様式やスタイルの背景を感じさせるものの、なぜかとても日本らしい不思議なバランス感覚で組み上げられた国産家具ブランドだ。

そんな国産家具ブランドを率いる代表の山形さんは、”collabore”のデザインを「分かりやすい特徴がなくて少し地味」で「時間をかけて身体に染み付いたものなので、なんと表現して良いのか分からない」と自己分析する。実はデザインではなく、強い技術指向を持ったクラフトマンだ。

家具作りへの想い、デザインと技術、そしてコラボレのこれからについて。
山形さんにお話を聞いてきました。

 

山形 圭史(やまがた けいし)

有限会社コラボレ/代表取締役社長

プロフィール)

1967年神奈川県生まれ。1991年、内装・ディスプレイ大手の丹青社入社。1998年に有限会社コラボレを設立。趣味は、素潜り。好きな言葉は「最後までやり抜く/go the distance」。好きな食べ物はフランスパン。


 

家具作りの場所にこだわりたい

創業当時のコラボレ(神奈川県秦野市)

創業当時のコラボレ(神奈川県秦野市)

 

--「コラボレ」とは、どんな会社ですか?

山形:オリジナル家具のデザイン・製作・販売を行っている会社です。

1998年に神奈川県秦野市で創業しました。商店街の一角にある、20坪くらいの空き店舗でスタートしました。店舗とは言っても、そこで家具作りも行っていましたので、小さな家具工房と言ったほうがいいのかもしれません。

当初はオーダーメイド家具を中心に営業していましたが、いまは、自社ブランドである”collabore”のオリジナル家具と、お客様からのオーダー家具を良いバランスでやらせてもらっています。

秦野の店舗が少し手狭になってきたので、辻堂に移転しました。辻堂に移転してからは、家具工場に自社商品のショールームを併設したスタイルです。実際の家具を見ていただいて、collaboreの空気感を感じてもらうのが、一番良いのかなと思っています。

辻堂は、湘南の中でも比較的落ち着いた場所で、良い物件に巡り合えたこともあり、いまのcollaboreのベースが作れたと思います。10年ちょっとお世話になったのですが、再開発で人や車も増えて、賑やかになりすぎましたので、一昨年(2013年)にこの場所(寒川)に移転しました。

 

--家具作りで一番の苦労は?

山形:家具って、生活の中にあるものじゃないですか。だから、私は人の生活のニオイがする場所、日常の中で作りたいなと思っているんです。

でも、一般に家具工場というと、電動工具の音や木くずが出たり、搬入搬出で車の出入りもありますから、あまり人がいない場所に立地したほうが良いんですよ。山の中とかね。そのほうが近隣への迷惑を気にせず、作業に集中出来ますから。

特に、創業場所の秦野は商店街立地だったし、大変なことも多かったですね。私も若かったですし。今となっては良い思い出ですけどね。

辻堂は、新しいお客さんとの出会いも沢山あったし、思い出深い場所です。再開発で少し賑やかになってきたので、もう一度、ゆっくり焦らず自分たちのペースで家具作りをする環境を作りたいなと思って移転することにしました。人がいなくてもダメいすぎてもダメって、自分で言うのもアレですが、ちょっとワガママですね。

落ち着いてじっくり家具作りに打ち込める場所を…と思っていたので、辻堂からの移転は焦らず時間をかけて探しました。不動産屋さんに「空き牧場ないですか?」なんて、無茶な相談していましたね。結局は自分の足で見つけるしかないなと思いました。自分のこだわりですし。

現在のコラボレ(神奈川県寒川町)

現在のコラボレ(神奈川県寒川町)

いまの場所は、車でたまたま通りかかった時に見かけて、飛び込んだんですよ。「ここが大家さんなんじゃないか?」とアタリを付けて。あ、ホントだ。アポなし訪問ですね。そしたら、本当に大家さんだったんですよ。何でもチャレンジしてみるものですね(笑)

移転した後も1年くらいかけて、家具作りのための場所を作ってきました。ラフさと繊細さが共存したいい空間に出来たなと思います。緑豊かで時間の流れもゆるやかでやさしい。「いい家具を作るぞ」という気分になれますね。私達にとってはすごく良い環境です。

場所探しや空間作りは苦労と言えば苦労だけど、どこで家具作りをするか?は自分にとってすごく大切なことなので、あまり気にしてないですね。楽しくやっていますよ。

 

コラボレーションのときは「技術的職人」。自分たちの立ち位置をはっきりさせてます。

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--名前の由来を教えて下さい?

山形:“Collaboration”(コラボレーション)をベースにした造語です。

…という説明を良くしているのですが本当は後付けです(笑)。実は、文字の配置とか全体の見た目とかバランスから考えたんですよ。まず、私が好きなイタリアの家具ブランドが”C”で始まる名前が多い。” Ceccotti”とか。あと、真ん中あたりにLが2つ入っているとアルファベットの小文字で書いた時に全体のバランスがいいな、とか、「濁音が入っていたほうが良い」というコピーライターの友人からのアドバイスとか。

でも、名前のお陰で、いろいろ声をかけていただくことは多いですよ。協業(コラボレーション)の時、我々は技術的な職人に徹するという立場を大事にしているのですが、自分たちの立ち位置をはっきりすることで、協業のチャンスもいただけているのかもしれません。

 

--そんな技術職人が作るオリジナル家具”collabore”のデザインとは?

山形:敢えて言えば「さりげない日本っぽさ」ですね。「和風」ということではなく、日本での暮らしや住宅にマッチするという意味です。やはり家具は使っていただくものですから、日本の住環境でうまく調和することを心がけています。

でも、実はデザインという面では、分かりやすい特徴がなくて少し地味かなあ、、なんて思ったりすることは多いんですよ。全体のフラット感とか仕上げの質感とか、いろいろ考えたりこだわったりしているんですけどね。

もともと、デザインはとても大切な位置づけですが、形だけよく見せるのではなく、中身をきちんとつくるという技術面をより大切にしてきました。オーダー家具や色々なコラボで積み重ねてきた技術が、我々のベースになっているのは間違いありませんから。技術の組み合わせから、醸し出す雰囲気みたいなものがcollaboreのデザインなんでしょうね。

時間をかけて身体に染み付いたものなので、なんと表現して良いのか分かってないんですよ。あ、だから20年近く家具作りをしているのに、いまだにカッコ良い自社カタログが作れていないのか(苦笑)。

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「全体のフラット感とか仕上げの質感とか」(山形さん)

 

後篇に続く。

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